【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第34章 アイネクライネ
そんなふうに困惑していると、
「兄ちゃん、だれ?サラのなに?」
サラって当たり前のように呼び捨てにするそのガキに、俺は大人気なくじろっと睨んだ。
「お前こそ誰だ」
「僕?サラの彼氏だけど?」
…はぁ?
何を言ってるんだこの子供…
このクソ生意気なボウヤを睨みながらも、流石に子供に手は出せず硬直状態が続く。
「あれー?赤井さん。お帰り」
エプロンをつけてお玉を持ったサラが、ひょこっと玄関に顔を見せた。
良かった…サラ…
ボウヤがあんな意味深なメール送るから、変に勘繰ってしまったじゃないか。
俺は男の子はほっといて、サラの方へ駆け寄ると、サラの手を引いて腕の中に閉じ込めた。
「えっ!?あ、赤井さん?」
「心配した」
「なんで???」
意味がわからない。という風に頭にはてなを浮かべるサラをよそに、俺はサラの匂いを嗅いだ。
その時、ガンッと俺のスネを横から誰かが蹴った。
「痛っ!」
「サラに触るな!」
「なんだこのガキ…」
流石に頭にきたので、その子の肩を掴んで叱りつけてやろうとした時、サラがその子を庇うように俺を見た。