【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第33章 If This Was a Movie ☆
む、無理…絶対無理
わたしの顔が見る見るうちに青ざめていくのを、沖矢さんは見逃さない。
「お、沖矢さんって、もっとこう…難しい映画好きそうなのに?」
隣の社会派洋画コーナーにあるDVDを適当に1枚取って、これとかどう??と聞いてみるが、沖矢さんは少しだけ勝ち誇ったように言った。
「…もしかして、怖いの苦手ですか?」
「そっ!しょんなわけないでしょ!?」
焦って強がると、思わず噛み噛みになってまたさらに焦ってくる。
わたしの反応を見て沖矢さんはクスクスと笑いを必死に堪えている。
「じゃあ問題ありませんね。これにします」
「えぇー」
よりによって、ホラー映画コーナーの中で一番怖そうなDVDを手にとって、わたしにひらひらと見せて来た。
それを見ながらわたしが涙目になっているのを見て、沖矢さんはわたしの肩を抱いたまま耳元でささやく。
「意外と怖がりなんですね。可愛い」
かあぁっと顔が赤くなったわたしは、沖矢さんの方をキッと睨んで言い返す。
「観るわよ!平気だもん。
観てやるわよ!!
ほら!次はわたしがセレクトするんだから」
そう言いながら沖矢さんの腕を引っ張り、わたしは仕返しに赤井さんが絶対見なさそうなラブロマンス映画でも観てやろうと、アクションコーナーを素通りしてラブストーリー特集のコーナーに移動した。