【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第5章 TiAmo ☆ ♪
お店を出たわたしは、フラフラとあてもなくまた歩き出した。
飲みすぎたうえに、突然体を動かしたからか、足元がおぼつかない。
それに、ちょっと吐きそう。
道の壁沿いに身体を支え、吐きそうな身体を鎮めようと落ち着けていると、後ろから声がした。
「また会いましたね」
振り返ると、昼間に会った最悪な人物
「バー…安室さん。
あなた、わたしのストーカー?」
フラフラなくせに虚勢を張って、思わず悪態をついた。
「僕もこの辺でよく飲んでるんですよ。1人ですか?」
「まあ。」
「フラフラですね。何かあったんですか?」
おぼつかない足取りのわたしの腰に手を添えて、支えるように聞いてくる安室さんに、わたしは睨みながら返した。
「誰のせいでこうなってると思ってるの」
正直、安室さんのせいとは思ってない。
確かにきっかけは肩のキスマークだけど、それが根本的な原因ではない。
「肩の、見つかっちゃいましたか。」
安室さんは、たははと笑って言った。
わたしは安室さんを無視して歩き出そうとしたが、
足がふらついてまた安室さんに支えられた。
「触んないで…」
「全く。そこに車を停めてあるので、家まで送ります。」
抵抗する力もなく、安室さんの身体に寄りかかりながらわたしは車の助手席に座らされた。
「待って。帰りたくない。
それに今車乗ったら、吐く自信ある」
「いい歳した女性がはしたないですよ」
「まだ24だもん」
安室さんはそう言いながら、助手席のシートを下げてフルフラットにした。
ガクンと後ろに倒れたわたしは、驚いて安室さんを見た。
「発進せず、このままにしておくよ。
落ち着いたら家まで送ります」
そう言いながら、わたしにミネラルウォーターのペットボトルを手渡した。
「…ありがと…」
渡された水を飲んで、おでこに腕を乗せたわたしは静かに目を閉じた。