第31章 Together ☆

赤井さんはそう言いながら、わたしの唇を奪った。

ハンバーグの味なんて全然しないじゃない。
あるのは、赤井さんの少しにがいタバコの味


「…な？」


唇を離してそう言う赤井さんと見つめ合って、わたしが


「…もっと…食べたい」


そう言うと、赤井さんはもう一度唇を重ねた。
もっと、して欲しい。
普通のキスも素敵だけど、もっと赤井さんを感じたい。

せっかく元通りになったんだよ？
そう思いながら、赤井さんの背中に手を回してぎゅっと抱きしめ返した。

赤井さんは、ゆっくりと唇を離すと、額と額をくっつけて、わたしの目をじっと見た。

ドキドキする…だって、部屋に2人きりだし、顔…近いし…
赤井さんにわたしの息がかかる気がして、思わず息を止めた。

赤井さんはスッと身体を離すと、わたしの髪を撫でながら言った。


「腹が減ったから、飯にしよう」

「あ…うん。」


赤井さんにそう言われて、それ以上して欲しいなんて言えなくて、わたしは身体をゆっくりと離すと、ご飯の支度を急いだ。

前までは、わたしのYESもNOも聞かないほど、強引にわたしを求めてくれていたのに。
今日はなんとなく距離を感じる。

また、あの観覧車を思い出す。
あの時は、キスすらしてくれなかった。

ドクン…と心臓が強張る。
大丈夫だよね…？大丈夫だよね…？


自分に必死に言い聞かせてた。