第31章 Together ☆

「なんでー！？」


わたしはフライパンの蓋を開けて愕然とした。

自慢じゃないけど、ここ数ヶ月のわたしの料理の腕前の進歩は目を見張るものがあって、当然今日も赤井さんのために美味しい料理を作って待ってようと思ってたのに…

まるで赤井さんに出会ったばかりの頃に作ったハンバーグみたいに、真っ黒焦げの物体ができた。


「唐揚げも、魚料理も失敗しなかったのに！
何でハンバーグはこうなるの！」


えーーん！と嘆くわたしを見て、沖矢さんが笑った。


「ふ…ははは。
お前は、変わらないな」

「変わったんだよー！
ちゃんと料理できるようになったもん」


しゅんと俯いて下を向くわたしを見て、沖矢さんはバッと変装を解いた。

そして、フライパンに乗ったハンバーグを一口、口に運ぶ。


「おいしくないでしょ？」

「…独特な味だな」


まるで、あの頃と同じで、わたし達は顔を見合わせて笑った。


「冗談だよ。美味い」

「うそー」

「本当だ。食ってみるか？」