【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第31章 Together ☆
「よし。あとはハンバーグを焼くだけ!」
そう言ってわたしはハンバーグをフライパンに乗せ、火をかけた。
タネは間違いなく上手くできた。
あとは綺麗に焼くだけ!
前の炭クズハンバーグからの、この超絶品ハンバーグに驚くだろうなぁ。
クスクスとまるでイタズラをしかけてる子供みたいに笑いながら、洗い物を始めた。
前は洗い物すら、まともにできなかったんだから、絶対驚く!
そう思ってまたニヤニヤしていると、ピンポーンとインターフォンが鳴った。
え!赤井さんもう来た?!
「はあいー」
慌てて返事をしてドアを開けると、沖矢さんが立っている。
「ちゃんと誰が来たか確認してから開けなさいと、何度言えば…」
「ご、ごめんなさい…」
沖矢さんの口調で話すの、久しぶりだ…
そう思いながら沖矢さんを中に招き入れると、沖矢さんは玄関でわたしを抱きしめた。
「お…沖矢さん?」
「ただいま…サラ」
「…おかえりなさい」
ただいまと言われて、胸が苦しくなった。
もう二度と、ただいまもおかえりも言えないと思ってたから。
やばい。泣きそうだ…
じわっと涙が浮かんだのを、沖矢さんにすぐにバレた。
「相変わらず、泣き虫だ」
そう言いながら、沖矢さんの指がわたしの涙を拭った。
そして、沖矢さんの顔がどんどん近づいてくる。
あ…キスされる…と思った時
「…臭い」
「えっ!!!?」
「焦げ臭いな。何の匂いだ」
ハッとフライパンの上のハンバーグを思い出し、沖矢さんをどーんと突き飛ばして慌ててキッチンに向かった。