第31章 Together ☆

赤井side


早朝に工藤邸の門を開け、家の中に入ると有希子さんがもう起きていた。


「秀ちゃん！
変装もしないで一晩どこにいってたの？！」

「…まぁ、ちょっと…」

「秀ちゃん…もしかして、サラちゃんと復縁したの？」


その言葉に、俺はギョッとした。

そもそも別れたことも有希子さんには言ってなかったし、優作さんがバラすとは思えない。

なぜ復縁したとわかる…

それが顔に出たのか、有希子さんは笑いながら言う。


「ここ数ヶ月のあなたの様子を見ているとすぐ分かったわよ。
全然外出もしなくなったし。
それに、今日の秀ちゃん、すごく幸せそうな顔してるから」


バレていたのか…
そしてそんなに今の俺の顔は緩んでいるのか…

思わず手で口元を覆って目を逸らす俺に、有希子さんは続けて言う。


「今度こそ、絶対手を離しちゃダメよ。
彼女のこと思うなら、ちゃんと最後まで責任取りなさい！」

「はい…」


バシッと俺の肩を叩きながら言う有希子さんには敵わない。

さて。そろそろ変装しないとあの子が学校に行く時間に間に合わなくなる。
俺は足早に変装部屋に向かった。