【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第5章 TiAmo ☆ ♪
赤井side
サラの肩口の銃創の跡に被せる形でついた赤いアザを見て、俺は頭に血が上ったらしい。
誰にやられたか、やはり言おうとしないサラに苛立ち、思わず口が滑った。
「…また、言いたくない か。
お前はいつもそうだな」
言った瞬間、しまったと思ったが時すでに遅く、サラは目に涙を溜めながら言い返してきた。
「なによ…赤井さんだって、わたしに何も教えてくれないじゃない」
俺はその涙に弱い。
申し訳ないと思う気持ちと、俺でさえ付けたことがない跡を誰かがつけたという事実が苛立ちを誘い、ぐちゃぐちゃの感情のまま、彼女の涙に触れた。
サラは もういい と言ったまま、部屋を飛び出し、外に走っていった。
追いかけようと思った時、先程のジェイムズの言葉が頭でリフレインした。
「彼女のことを、まだ愛しているのかね」
俺は…
追いかける足がぴたりと止まり、その場で立ち尽くした。
忘れてはいけない。そう思っているのに、サラと過ごしていると忘れそうになる。
そんな自分に苛立ち、俺はガンっと壁を叩き、心を落ち着けるために深く長いため息をついた。