第30章  I belong with you ♪

安室side


グランピングから帰ってきて、サラはバルコニーに出てぼーっとする時間が増えたような気がする。

あの雨の中、助けに行ったのは僕じゃ無く赤井だった。

彼と何かあったんだろう。

それでも、サラは僕の下に戻ってきてくれた。
ちゃんと、僕を選んでくれたんだ。
それだけで十分だと、自分に言い聞かせた。


「サラ。」


ロックグラスを片手に、景色を眺めていたサラに、後ろから抱きついた。


「んーー？」


サラはすこし酔っているようで、ふふふと笑いながら僕の方に頭を倒した。


「酔ってるな？」

「酔ってなーい」


そう言いながら僕にぎゅーっと抱きつくサラ。
僕はそんなサラの髪を撫でながら思った。

サラが酒に頼る時は、決まって何か悩んでる時だ。

初めて会った時も、爆弾騒ぎのホテルの時も。
どちらも赤井のことで、悩んでいた。
嫌な予感がする。
僕の勘は無駄に良いから時々嫌になる。