第29章 赤い糸　♪

赤井side


キャンプの準備をしていると、突然雨が降り出した。

テントでは防げないぐらい雨風が強まってきて、俺たちはキャンプ場の近くのホテルに一旦避難した。


「どうやら、季節外れの台風が逸れて進路に入ってしまったようじゃな…」


そうため息をつく阿笠博士と、ざんねーんという子供達。

…そういえば、サラはどこだ？
さっきから姿が見えない。

バーボンも、同じようにキョロキョロとあたりを見渡し、子供たちに聞いた。


「君たち、サラを見ていないか？」

「サラお姉さんなら、落とし物したから探してくるってだいぶ前に言ってたよ！
てっきりもう見つけて安室さんと一緒にいると思ってたけど…」


ボウヤがだんだん切羽詰まったように言うと、バーボンはボウヤの肩を掴んで叫んだ。


「どこ？！どこで落としたと言ってた？！」

「…っ確か、薪を拾いに行った時だった…」

「じゃ、じゃあ急いで探しに行きましょう！」


光彦くんがそう言うと、ホテルの支配人が出てきて静止した。


「だめですよ！
この辺は土砂災害の危険もあるし、この大雨の中出ていくのは危険です」

「そ、そんな…」


その時、ホテルのロビーのテレビニュースから、速報が入ってきた。