【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第29章 赤い糸 ♪
わたしは思わずわたしにキスをする零をバシバシ叩いて止めた。
思いっきり、イチャイチャしてるところを見られた…
零は今からわたしを抱く気満々だったみたいで、少しだけ笑顔が強張っているけど、至って冷静に子供達に話しかけた。
「き、君たちどうしてここに?」
「梓さんに、おすすめのキャンプ場って教えてもらったんだよ」
「あー。なるほど」
納得するわたしの横で、零はちっと舌打ちをしている。
「阿笠博士と来たの?」
わたしがそう言うと、歩美ちゃんが指を刺しながら言う。
「うん。それと、昴のお兄さん!」
指差す方向には、沖矢さんが居て、わたしは思わず目を見開いた。
最悪だ。
こんなところでまた会うなんて。
この間、もう会わないようにしなきゃと心に誓ったばかりなのに。
零も全く同じことを考えているようで、わたしの肩を抱くと
「じゃあ、僕たちはこれから部屋でゆっくり過ごすので。
みんなもキャンプ楽しんで」
そう言って、有無を言わせずテラスから部屋へと戻ろうとした。
「ええー!せっかく会ったのに!
一緒にBBQしようよお!」
「そうだよ!部屋にいたってつまんねぇぞ!
第一することねぇだろ?」
「ま、ヤることはあるでしょうね」
「おいおい灰原」
零に極力顔を見られないように、哀ちゃんは帽子を目深に被ってる。
子供たちの大演説オファーに、零ははぁーっと片手で頭を抱えた。
「今日はサラと2人でゆっくりしようと思っていたのに」
「…ま、まぁいいじゃ無い。
あんなふうに誘ってくれてるんだし。
それに、…夜は一緒に過ごすでしょ?」
「サラ…」
自分でも、大胆なことを言ったなと思うけど、ただ零を喜ばせたかった。