【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第5章 TiAmo ☆ ♪
「…お断りします。
わたしはもう普通の生活を手に入れたんだから。」
「そうですか。」
諦めるかと思いきや、バーボンはわたしの着ていたブラウスの首元を左右に引き、わたしの肩を露出させた。
「ちょっ…なにするの!」
「ジンにつけられた右肩の銃創、跡になっているじゃないですか。ちゃんと手当してもらわなかったんですか?沖矢昴に」
「な…に…」
バーボンから出るはずのない名前が出て、わたしの身体は一瞬硬直する。
「トロピカルランドで一緒にいましたよね。
何者ですか?あの男は」
「知らない。偶然居候させてもらってるだけ」
「へえ。」
バーボンは、また意味深に口角を上げたと思えば、わたしの肩の傷に唇を添えた。
「んっ…なにする…」
気づいた時には遅く、わたしの肩口の傷の上に赤いしるしができている。
「まあいいです。
またいずれスカウトしに行きますよ。
それまで、僕のことは秘密にしておいてくださいね。」
そう言うと、バーボンはわたしの頬にキスをして、そのまま後ろを振り向き、立ち去ろうとした。
「待って。あなたの本当の名前は?
バーボンって組織のコードネームでしょ?
今の話が本当なら、本名教えてよ」
「…安室透です。
君は?ジェーンはコードネームでしょう?」
「桜井サラ…」
「サラ。いずれ、君の方から僕を頼ってくることになりますよ」
そう言い残して安室さんはその場を立ち去っていった。
まさか、バーボンがノックだったなんて。
そして、沖矢さんのことを気にしているようだった。
今のところ、脅威にはなりそうにないけど、赤井さんに報告しておいた方がいいよね…。
そう思いながら、わたしは家路を急いだ。