【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第5章 TiAmo ☆ ♪
突然のその声と、後ろで響いた ジャカッ というハンドガンのスライドを引く音、
わたしは瞬時に、後ろで銃を向けられていると察知し、咄嗟にしゃがみ後ろに回し蹴りを繰り出した。
「おっと」
わたしの動きを読んでいたのか、声の主はひょいっとよけると、後ろに飛んだ。
「誰?」
「さすが、ジェーン。
まさかとは思いましたが、やはりあなたでしたか」
顔を見て、わたしは目が飛び出るんじゃないかと思うぐらい驚いた。
「ば…バーボン…」
「お久しぶりですね。」
「どうして…」
わたしがスパイだった頃、密な関係にあった黒の組織に所属する、コードネーム バーボン という男がそこに立っていた。
「この間、コナン君たちと一緒にトロピカルランドにいるところを見かけましてね。
あの最強女スパイ、ジェーンに似ているなーと。
そしたら案の定でした。」
バーボンは、ハンドガンをしまい、笑いながらわたしに近づいてきた。
そしてわたしの顎を手で持ち、グイッと顔を自分の方へ向けた。
「死んだと言われていましたが、生きていたんですね。」
「…」
「ジンが、遊び相手がいなくなってつまらなそうにしていましたよ。君、ジンとは…」
「やめて!!言わないで。それ以上」
バーボンがわたしの核心に触れるようなことを言い出すから、思わず声を荒げた。
「ふっ…。まあいいです。
それより、君には僕に協力してもらう必要がありそうです。」
「協力することなんて何もないわよ。
そっちの組織とはもう一生関わらないんだから。」
「いえ。僕がほしいのはあなたが組織のスパイとして活動していたときの組織の情報ですよ。」
「…?どういうこと?」
バーボンの手のひらがわたしの片頬を覆ったまま、
彼の言葉の意味がわからず、バーボンを睨んだ。
「僕は、バーボンでもあり、公安警察でもあります。
まあ立場上はあなたと似たようなものですね。」
「あなた…ノックだったの?」
「ええ。あの組織の壊滅を狙っています。
どうです?今度は公安警察のスパイとして、協力してもらえませんか?」
バーボンはにこり。と笑った。
とんでもないことをカミングアウトしているのに、なんなのこの余裕。