• テキストサイズ

【R18】You belong with me 【赤井秀一】

第28章 最愛 ♪




わたしが銃を突きつけた相手、それは沖矢昴だった。

そして沖矢昴の銃口も、虚しくもこちらを向いてる。


「…赤井さん」


銃を向けたまま、彼の本名を呼んだ。
そんなわたしを見て、沖矢さんは冷たい目をして言う。


「…公安の犬になったのか」


公安の犬…そんな風に見えてるんだ。わたし。

赤井さんの目には、わたしはただの敵に写ってるんだね。

何度目だろう。
こんな風にこの人に傷つけられるのは。
いや、違う。
わたしが勝手に傷つくのは何度目だろう。

せめて、それがバレないように虚勢を張って銃を握り直した。


「それは、公安から盗まれたデータよ。
返して」

「これはFBIのヤマだ。
中身を確認するまで、返すわけにはいかない」


神様は残酷だ。


【もし俺が心変わりしたら、その時はお前が引き金を引けばいい。】


彼にそう言われたかつてのわたしは、


【そんなことできるわけない。】


そう言って涙を流した。


けれど今、わたしは大好きだった人に銃口を向けているし、向けられている。
 
/ 1733ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp