【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第28章 最愛 ♪
安室side
アンパンマンを知らないのかサラは。
これはジェネレーションギャップと言うより、育ってきた国の違いか。
そんなことを考えていると、サラが食卓に温めたビーフシチューを出してくれた。
じっとサラを見てみる。
そうだよな、5つ年下なんだよな…
僕なんか、サラから見たらおじさんなのか?
いや、でも僕よりも赤井のほうが年上…
…あいつのことを思い出すのはやめよう。
腹が立つだけだ。
頭の中で1人でおしゃべりをして自己完結した僕は、サラが手渡してくれたスプーンでシチューをすくった。
「そう言えば、仕事そんなに大変だったの?」
「あぁ。どうやら公安のPCがハッキングされて、データが一部盗まれたようなんだ。」
「…まぁ、それを盗む側だったわたしは何も言えないね…」
サラは少しバツが悪そうに笑う。
確かに。本来なら僕はサラを捕まえる側の人間だ。
サラが諜報員から足を洗ってくれて本当に良かったと、たった今心底思った。