【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第27章 気付かれないように ☆ ♪
俺はさっき言われたことを頭で考えた。
後悔…
「俺は…後悔というものをしたことは一度もないと思っていました。
これまで、その時その時でいつも最良の選択をしてきたつもりだった。
あの時も、俺は間違ってない。
これでいい。と、何度も。」
言葉が、溢れてくる。
俺はサラと出会って、変わった。
サラの目が何度も何度も俺の胸をまっすぐ貫くから、
自分の気持ちを、吐き出すことが多くなった。
そしてそれを聞いてくれたのはサラだった。
「手放してから再確認した。
俺は心底あいつに惚れていたと。」
喉の奥が詰まり、タバコの煙が目に染みる。
今までこんなことはなかった。
サラと過ごした日々を、サラの行動一挙一動を、サラがくれた言葉全てを、思い出せば思い出すほど、傷口が開いて塞げない。
「赤井くん…もう少し、自分本位に生きても良いんじゃないかと思うよ。」
「…今更、もう遅い。
…すみません。
心配して声をかけてくれたのに。有希子さんにも、心配ないと伝えておいてください」
俺がそう言って、2本目のタバコに火をつけると、優作さんは俺の肩をぽんっと優しく叩くとバルコニーから室内へ戻っていった。
サラを取り戻したい。
そう思う自分を必死に気付かないふりをした。