【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第27章 気付かれないように ☆ ♪
安室side
疲れてすっかり眠ってしまったサラの頬を指でつついた。
「ん…」
と眉を顰めながら吐息を漏らすサラが可愛い。
寝顔を眺めてフッと笑ったその時、眠っているサラの目からじわっと涙が滲んでいた。
「サラ…」
嫌な夢でも見ているのか?
そう思って顔を覗き込んだ時、サラから溢れたのは僕が一番聞きたくなかった言葉だった。
「…あかいさん…」
夢の中で、あいつを必死で追いかけているんだろうか。
僕は気付いていた。
サラが、僕に溺れようと必死でもがいていること。
そんなこと、気付きたくないのに。
きっと、心の奥深くでまだ赤井秀一が消えないんだろう。
僕のことを、何度も何度も好きだと言う時、まるで自分に言い聞かせているみたいだった。
「サラ…」
どうしたら、僕は君の1番になれる?
一緒に時間を過ごして、たくさんキスをして、激しく身体を重ねても、君の中の赤井秀一は消えないのか?
「頼むから、僕だけのサラになって…」
眠るサラの手を握りながら、何度もそう願った。
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