第27章 気付かれないように　☆ ♪

サラがシャワーを浴びている間、サラの好きなハニーレモンソーダでも作ってあげよう。

そう思い、冷蔵庫からレモンとはちみつと炭酸水を取り出して調理をしているとしばらくしてサラがシャワーから出てきた。


「零」


髪をちゃんと乾かさないまま、サラはパジャマ代わりの僕のシャツを着て、キッチンに立つ僕に抱きついてきた。


「コラ。ちゃんと髪を乾かしなさい」

「んー」


サラは僕に抱きついたまま、僕の身体におでこをくっつけて甘えた。
僕のシャツは大きくて、サラが着るとワンピースになる。
そんなサラに、


「ちゃんと乾かしたら、これ飲んでいいよ」


そう言ってグラスに入ったドリンクを指差すと、サラは慌てて髪を乾かしに洗面所に戻った。

可愛い。

サラがなぜあんなにも取り乱したのか、今話してくれなくてもいい。
いつか、ちゃんと僕に話してくれればそれでいい。


髪を乾かしたサラが戻ってきた後、僕もシャワーに入った。