【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第27章 気付かれないように ☆ ♪
意識が朦朧としている中、ぼんやりと懐かしいタバコの匂いがしたのを思い出した。
赤井さんが、わたしを抱きしめてくれたの…?
まるであの時みたいに。
わたしが雷に取り乱して、苦しくて死にそうだった時みたいに。
わたしは、本能的に赤井さんを求めたの?
零の目の前で。
自分が、いかに最低なことをしたのか、思わず唇が震えた。
そしてそんなわたしに、蘭ちゃんは少し遠慮しがちに言う。
「沖矢さんも、サラさんのこと…すごく大事そうに抱きしめてましたよ…」
「え…」
そんなわけない。
だって赤井さんから振ったんだよ?
わたしのこと、もう邪魔になったからって言ってたのに…
その時、
「サラ?起きて大丈夫なんですか?」
ふと声のした方を見ると、零と毛利探偵、コナンくんと沖矢さんが事件を無事解決したようでこちらに戻ってきていた。
わたしは咄嗟に、ソファーから飛び出して零に抱きついた。
沖矢さんが見ている前で、わざと。
ちゃんと、零を安心させないとダメだ。
そんな気持ちが加速してもう止まらない。
「帰りたい。零の家に。一緒に」
安室さんって呼ぶことすら忘れて、わたしはただ零にしがみつきながらそう言った。
「うん。帰ろう」
零はわたしをもう一度抱きしめると、今度はわたしから力がドッと抜けた。
抜け殻みたいなわたしの身体を零は抱き上げると
「では、僕たちはこれで失礼しますよ。
サラの体調も心配だし」
そう言うと、抱き上げたまま駐車場までわたしを運んだ。
そしてわたしは、ずっと零にぎゅっとしがみついてた。