【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第27章 気付かれないように ☆ ♪
パーティーも終盤に差し掛かってきた。
「そろそろ終わりだよね?
帰る前にお手洗い行ってもいい?」
「ああ。僕はここにいるから、行っておいで」
そう言って零はわたしの頭をポンポンと撫でた。
わたしはお手洗いでメイクを直そうとパウダールームに入ると、ちょうど蘭ちゃんが出てきたところだった。
「蘭ちゃん」
「サラさん。…あの、本当にいいんですか?」
「何が?」
「…サラさんがまだ沖矢さんのことを好きなら…」
「やめて。…わたしが好きなのは、安室さんだよ…」
「そう…ですよね…すみません。
でしゃばったこと聞いちゃって…」
そう言って蘭ちゃんはパウダールームを出た。
どうしてみんな、そんなこと聞いてくるの?
コナンくんもわたしを見て、そんなことを訴えてくるような目をしていた。
メイクを直して、早く会場に戻ってもうここから出よう。
そして帰って零に何度もキスしてもらいたい。
余計なことを考える隙なんてないぐらい、零でいっぱいにしてもらいたい。
そう思って歩き出した時、足が痛んだ。
久しぶりのピンヒールで、靴ズレが出来ている。
絆創膏、確か零が持ってたな…
わたしは痛む足をすこし引きずりながら、レストルームを出た。