【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第27章 気付かれないように ☆ ♪
零はそんなわたしに気付いて、腕に回していたわたしの手を解くと、次はぎゅっと手を繋いだ。
「お姉さんたち、手つないでる!仲良しさんだね」
歩美ちゃんが無邪気にそう言って、わたしはやめてー!と思っていたけど、零はさらに大胆なことを言い出す。
「あぁ。恋人同士だからね」
「うそ…」
「え!そうなの?サラさん!」
驚く蘭ちゃんをよそに、園子ちゃんが身を乗り出す。
「…うん。そうなの」
わたしは笑ってそう言った。
事実だもん。わたしは零の手を離さないって決めたから。
「今、れ……安室さんの家にいるんだ。
あんまり自分の家に帰ってなくて、歩美ちゃんたちに会うのも久しぶりだね」
そう言って、子供達に笑いかけたあと、わたしは沖矢さんの方を見た。
逃げない。目を見て。
「沖矢さんも、久しぶり。
…元気だった?」
まさか話しかけられるとは思っていなかったみたいで、沖矢さんはとても驚いた顔をしてわたしを見た。
「あ、あぁ。」
「なんか、痩せてない?ちゃんと食べてる?」
思った以上に普通に話すわたしを見て、零も驚いてこちらを見ている。
「サラ。そろそろ鈴木会長に挨拶に行こう」
「そうだね。じゃあ、みんなまた後でね」
そう言ってわたしはみんなに手を振ると、零の腕にまた手を回した。
わたし、ちゃんと普通にできたよね?
そう思いながら零を見ると、零はわたしの手を引いて、会場を出た。
「えっ…会長に挨拶するんじゃないの?」
わたしの言葉をスルーして、会場廊下にある物置のドアを開けると、中に入り鍵をかけた。