第27章 気付かれないように　☆ ♪

ドクンっと、心臓が鳴った。

何も悪いことをしていないのに、犯罪者のような気分になる。
どうしてこんな形で再会するんだろう。

零はそんなわたしの様子を見て、わたしの肩を抱き寄せながら風見さんに言った。


「僕の恋人の桜井サラさんだよ。
風見とはこれからもきっと関係することになると思うから、紹介しておこうと思ってね」

「あぁ。そうなんですか。
お若いですね。おいくつですか？」

「24です」

「降谷さんより5つ下…やりますね」

「ほら。もういいから風見持ち場に戻れ」

「はい。じゃあサラさん。また」


そう言って風見さんは自分の配置に戻っていった。
そのとき、


「あーー！サラお姉さんだ！！」

「安室のにいちゃんもいるぜ！」


歩美ちゃんと元太くんがこちらに気付いて走ってきた。
つられて、蘭ちゃんたちもこちらに来る。
そして沖矢さんも。

沖矢さんの姿をした彼を見るのは、本当に何ヶ月ぶりだろうか。

なんだか少し、痩せた…？
ちゃんと食べてるのかな…赤井さん

別れてから、初めて正面から顔を合わせるので、どんな顔をしたらいいかわからなくなる。

蘭ちゃんと園子ちゃんは事情知ってるのかな…
でも、ふたりの顔を見たら知っているような複雑な表情でわたしを見てる。