【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第27章 気付かれないように ☆ ♪
会場に着くと、零はわたしに腕を差し出した。
「ちゃんと掴まってて」
そう言う零の腕に自分の腕を通してぎゅっとしがみつくと、零は笑って言う。
「それじゃ歩きにくいって」
「掴まっててって言ったでしょー」
側から見れば完全なるバカップルだ。
そんな風に笑い合いながら、ホールに入ると、零が耳打ちする。
「あ。ここでは安室さんで。
本名知ってる人の方が少ないから」
「…間違えて零って呼びそう」
「その時は唇でその口塞ぎます」
「そんなことできないくせに!」
またそんなことを言って笑い合うわたし達に、誰かが近づいてきた。
「降谷さん」
零はその声の方を振り返り、その人の名前を読んだ。
「風見。そんな堂々と本名呼ぶなよ」
「あれ?キスで口塞がなくていいの?」
クスクスと笑いながらそうからかうと、零は
「コラ。黙っていなさい」
そう言ってシーっと人差し指を立てた。
「?降谷さん。この方は?」
「ああ。ちょうど紹介しようと思ってたんだ。この人は…」
そう言いかけた時、別のところから声がした。
「あれ?安室さんに風見さん。それにサラさん」
振り返って斜め下を見ると、コナンくんがわたし達を見上げながらこちらを見ていた。
「コナンくん。君も来てたのか」
「ああ。あいつらと一緒に…」
そう言ってコナンくんが目線を送る先にいたのは、少年探偵団の子供達に蘭ちゃん、園子ちゃん、小五郎さん、
そして…沖矢さんの姿もあった。