【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第26章 アップルパイ ☆ ♪
いつもそう。
零は自分の食べたいものよりわたしが食べたいものどちらも食べられるように優先してくれる。
それが嬉しくて、思わずわたしの声が高くなる。
「今日何時に帰る?」
「そうだな…今日は多分19時までには帰るよ」
「夜、一緒に食べようね」
「ああ。楽しみにしてる。」
そう言って零はわたしが電話を切るまで、受話器を切らずに待ってくれる。
自分でも、こんなに愛されていいの?と思うほどだ。
電話を切って、店員さんに注文する時、旦那さんですか?と聞かれた。
少し迷ったが、わたしは店員さんを見て言った。
「恋人です」
ふと、前に
「ちゃんと彼氏って言えよ」
とわたしに言った赤井さんを思い出した。
でももう、それを懐かしむことができる。
悲しくならない。
そう言う時間もあったなって、自分の中でちゃんと消化できる。