【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第26章 アップルパイ ☆ ♪
零に電話をすると、零は2コールですぐに出た。
今日はスーツを着て出て行ったから多分公安の仕事だったんだと思う。
それでも、わたしからの電話にはすぐに反応してくれる。
「もしもし?何かあった?」
出てすぐに、要件を聞こうとするあたり、本当は電話に出ている場合じゃないんだろう。
なのに、後でかけ直すこともせず、今ちゃんと話を聞いてくれる零。
アップルパイ、どれがいい?と聞くと、零はちょっと笑いながらわたしに言う。
「はは。アップルパイはアップルパイだろ?
どれがいいってどう言う意味?」
優しい声。
手短に終わらせようと説明を端折るわたしを、零は一度も怒ったことはない。
アップルパイ専門店で、いろんな種類のアップルパイがあるのと言うと、零は
「サラはどれが食べたい?」
と聞く。
わたしが優柔不断で、きっと一つに決めきれていないことを見抜いてる。
シナモンとヨーグルトで迷ってると言うと、零はじゃあその二つにしよう。と言ってくれた。