【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第4章 しるし☆
バーベキューが終わり、子供達が仮面ヤイバーをTV見ているのを、博士、沖矢さん、わたし、そしてコナンくん哀ちゃんはダイニングに座って眺めてた。
「あいつらも好きだねぇ。仮面ヤイバー」
もう見飽きたぜ。というようにコナンくんはため息をつく。
「そういえば、サラ君はご家族はどうしているんじゃ?」
阿笠博士にそう聞かれたわたしは、ワイングラスを持つ手がピクッと動いて、少し目を逸らしながら言った。
「両親は…いません。わたしが10の時に亡くなって」
「そ、そうか。。兄弟や親戚は?」
「いません。両親が亡くなって、しばらくアメリカの孤児院にいました。だから、家族はひとりも…」
今まで当たり前だと思ってたけど、そこにいるみんなが悲しい顔をするから、天涯孤独って可哀想なことなんだ。と思った。
「あ、けど…」
1人で平気なんです。と言おうとした時、子供たちが見ていたテレビから、聴き慣れた曲が流れた。
驚いてテレビを見ると、わたしの元恋人「悪い男」がうつっている。
「あー!ヤイバー終わっちゃったー!!」
嘆く子供たちの声が何故か遠くに聞こえる。
わたしはガタンと立ち尽くしたまま、ぽつりと独り言みたいに、彼の名前を呼んだ。
「タクミ…」
その場にいた誰もが驚いてサラを見た。
「…知り合いなの?」
哀ちゃんが首を傾げるが、わたしはただ画面の向こうのタクミに釘付けになった。
「TRAPNESTですねー?姉さんがファンですよー!」
「歩美のママもー!でも、このバンドのタクミってベーシスト、亡くなっちゃったんだよね。」
「ええ。謎の多い事故死だったみたいですね。」
「お姉さん、タクミと知り合いなの?」
「あっ…うん。…そうなの」
歩美ちゃんの質問に何とか答えて、ただタクミのベースを弾く姿と、流れる音楽を聴いた。
タクミには似合わないほど、純愛の曲
あの頃、馬鹿みたいに聴いてた曲
画面の中のタクミは、当時の映像だから当たり前なのだが、やっぱり8年前で止まっていた。