【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第25章 プロローグ ☆ ♪
赤井side
ジョディを車に乗せ、杯戸町を走っていた。
ここは、よくサラを乗せて走った道だ。
ラジオから流れる洋楽をサラが助手席でハミングをする。
そんな日常の風景が、今も頭にこびりついている。
「あれから、組織に戻した水無玲奈から何も連絡はないし…進展なかなかないわね」
「そうでもないさ。
確実に、奴らの尻尾を掴めるところまであと少し…」
「…秀は、組織を壊滅したらその後どうするの?」
「さてな。その後のことは何も考えていない」
ふと、サラに以前聞かれたことが頭に浮かんだ。
「赤井さんはアメリカに戻るの?」
そう聞かれて、俺はお前も一緒に来いと言った。
あの頃の俺は平然とアメリカに渡り、サラと一緒に住み、そのうち子供が産まれて…そんな未来を勝手に思い描き、守れない約束をした。
別れてひと月。
俺はサラのことを考えない日はなかった。
何をしていても、隣にサラがいればと思う。
どこに行っても、サラと一緒に来たかったと思う。
何を見ても、サラにも見せてやりたいと思う。
着信拒否して、メッセージアプリをブロックしても、連絡先を消すことはできなかった。
そんなことをぼんやり考えながら、交差点に差し掛かった時、俺の視界は人混みの中のサラを捉えた。
「ちょっ!秀!赤よ?!」
サラに気を取られて赤信号を無視しかけ、思わずブレーキを踏む。
1ヶ月ぶりにサラの姿を見た。