【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第24章 思い出せなくなるその日まで ♪
ハッ
目を開けると、天井が見えた。
なんて…夢
残酷な夢…
時計を見ると時刻は午前4時
はぁはぁと動悸が治らない。
確かに、この家だったのに。わたしのことを明美って呼んでた。
「…っ…」
わたしは、震える手でスマホを取り、赤井さんに着信を飛ばした。
けれどやっぱり、自動音声の後切れた。
そうだよね…やっぱり、着信拒否だよね…
そうしてスマホを下ろす時、震える指が間違えてすぐ下にあった発信履歴のボタンをタップしたことに気付かなかった。
「もしもし?」
「…え…あ…」
突然誰かの声が受話器から聞こえ、思わず耳にスマホをつけた。
「どうした?こんな時間に」
聞こえてきたのは、安室さんの声だった。
「あ…っご、ごめん…間違えたの…指があたっちゃった」
「なんだ」
「本当にごめんね…じゃあ…」
そう言って切ろうとしたら、安室さんがそれを止めた。
「待った。…こんな時間に、何してた」
「…なにも…?」
「…10分で行くから」
「えっ?!」
その言葉のすぐ後、安室さんは電話を切った。
10分で行くって…ここに来るってこと?
こんな時間に、どうして?なんのために?
そう思っていると、家のインターホンが鳴った。
嘘でしょ…?
半信半疑でわたしはオートロックを開けた。
そしてしばらくして、玄関のインターホンが鳴る。
ゆっくりとドアを開けると、息を切らせた安室さんが立っていた。
「…どうして?」
「いや、エレベーター来なくて、階段で。
結構きついですね」
「ちがう!そうじゃなくて、どうして来てくれたの?」
「…サラが、泣いていると思ったから」
どうして赤井さんと、同じこと言うの…?
わたしは、思わず安室さんの胸に飛び込んだ。
最低だ。こんなの、寂しいからって安室さんを利用している、最低な行為。
「ずるくて、ごめんなさい…」
「ずるくて、良いんだよ」
安室さんはそう言って、わたしをぎゅっと包み込んでくれた。
わたしの曇った心が、全部浄化されたようなそんな気がした。