【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第24章 思い出せなくなるその日まで ♪
門をくぐって敷地を出た時、後ろからボウヤが追いかけてくる。
「昴さん!」
「どうした?」
「…さっきの話…。
別れたってほんと?どうして?」
「…ボウヤには関係のない事だ」
「…サラさんのこと、まだ好きなんじゃないの」
「…俺が1番大切なのは、あの組織を壊滅させる事だ。」
そう言って俺は工藤邸の門をくぐった。
自分の部屋に入ると、サラから貰ったzippoが机の上に置いてある。
これも捨てないと。
そう思ってzippoを取り、ゴミ箱に投げようとした。
ふと、これをくれた時のサラの顔が浮かんで、俺は力なくその場に手を下ろした。
サラ本人はあんなに容易く手放したのに、思い出は簡単に捨てられないのか。
俺はzippoを握りしめて、行き場のない思いを噛み締めた。