【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第4章 しるし☆
「あー!サラお姉さん!」
「こんにちは!」
阿笠博士の家に着くと子供たちはもう来ていて、私たちに気づいて走ってきた。
「こんにちは。」
まだ少しぎこちないけど、ちゃんと笑って挨拶ができたと思う。
庭に出ると博士がせかせかと準備をしていて、哀ちゃんがそれを手伝っている。
その隣で、コナンくんはスケボーの修理をしていた。
ふと、この間コナンくんにわたしの正体がバレていたことを思い出す。
この子は本当に何者なんだろう…
そう思っていると、哀ちゃんがコナンくんに話しかけた。
「探偵事務所のあの子は誘わなかったの?」
「ん?ああ、蘭か。今日は園子と買い物に行くんだとよ」
「探偵事務所?」
思わず2人の会話にわたしが割って入ってしまった。
「コナンくんは、毛利探偵事務所に居候しているんじゃよ。
知っておるか?眠りの小五郎」
「…いえ。つい最近までアメリカにいたので…」
探偵事務所に居候しているというところも、何か裏があるんじゃ…
そう思いながら、わたしは切られた食材を串に刺す作業を始めた。
探偵か…
「今日、例の薬の試作品を使った。」
「…誰に?」
「さあ。名前はいちいち覚えていないが…探偵と名乗ってたガキだったな…」
数ヶ月前、ジンとした話をふと思い出した。
そうだ。例の薬を使った相手は探偵だと言ってた。
そして、コナンくんに初めて出会った時、
「江戸川コナン 探偵さ」
そう名乗っていた。
これって偶然…?
ぼーーっとそんなことを考えながら串に刺していると、
プスッ
「いった…」
串の先に指を刺してしまい、血がぷくりと滲んだ。
「おお。大変じゃ。リビングのテレビの下の棚に救急箱があるから、絆創膏を貼っておいで」
「あ、でもこのぐらい…」
そう思ったけど、流石に血が出た手で食材を触るのは非常識か…と思い直し、
「じゃあ、ちょっと失礼します。救急箱借りますね」
そう言ってリビングへと向かった。
「えっと…救急箱…あった。」
独り言のように呟きながら、言われた通りテレビの棚を開け、そこにあった救急箱を手に取ったとき、後ろからその救急箱がひょいっと持ち上げられた。
「??」
驚いて振り返ると、沖矢さんが救急箱を取り上げて立っていた。