【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第4章 しるし☆
「あっ。すみません」
「いえ。こちらがよそ見していたから」
振り返ると、金髪ショートの眼鏡をかけたアメリカ人女性と、大柄なアメリカ人男性がいた。
そのアメリカ人女性は沖矢さんを見るなり、じっと顔を見ながら言った。
「あなた…確か前に…」
「ジョディさん。そろそろ急がないと」
「あぁ、そうね。じゃあ失礼するわ」
大柄な男性にそう促されたその人は、沖矢さんの顔を凝視するのをやめ、停めてあった車に走っていった。
「…知り合い?」
「…いいえ。」
わたしが沖矢さんにそう聞くと、意味深にフッと笑った後、笑顔で否定した。
だけど赤井さんはいつも、わたしが知らない人と話す時は、無意識に相手を観察しようとすごい目で見ていることがある。
相手が、組織の追手の可能性があるから。
でもさっきは、あの2人に対してそんな挙動は見せなかった。
知り合い…なのかな。
事情はあるんだろうけど、隠されたことになんとなくショックを受けてしまう。
わたしも、赤井さんには自分のことを何一つ話してない。
けど、彼のことは全部知りたいと思う。
自分がこんなに我が儘な人間だなんて思っても見なかった。