【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第24章 思い出せなくなるその日まで ♪
けれどふと、前にトロピカルランドで、2人で射的をした時のことを思い出す。
観覧車に乗った後、2人ともムキになって景品に弾を当てて、周りがドン引きしていたっけ…
ダメだ。
綺麗な服を着て、可愛いメイクをして、夢中になれるところに連れてきてもらっているのに、どうしても思い出す。
わたしの心は、赤井さんで染まってる。
わたしはエアガンを構えたまま涙が溢れ、銃を構える手が震えた。
そして、最後の一発は外してしまった。
「サラ…」
安室さんがわたしの顔に触れて、安室さんの方へ向かせると、指で丁寧に涙を拭った。
その触れ方も、赤井さんと全然違う。
…赤井さんの感覚が…少しずつ消えてしまいそう
「あーあ。せっかく綺麗にメイクしてもらったのに」
呆れたように笑って安室さんがわたしを抱きしめた。
まるで泣いてる子供をあやすみたいに、背中をぽんぽんとさすってくれる。
安室さんの匂いが、脳内をくすぐる。
大きな、海みたいな匂いがした。
わたしは、背中に手を回すことができない。
だって受け入れてしまったら、もう二度と赤井さんは戻ってこないような気がしたから。
その後、泣き止んだわたしを安室さんは美味しいと評判のレストランに連れていってくれた。
でも、味はほとんどしなくて、ご飯を食べながら安室さんと何を話したのかも全然覚えていない。