【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第24章 思い出せなくなるその日まで ♪
「…すごい…」
鏡に映る自分の顔が、自分じゃないみたいでわたしは思わずじっと見つめた。
泣き腫らした目も、擦って赤くなった鼻も、全部綺麗にメイクでカバーされている。
普段のメイクよりも何倍も可愛く見える。
すごい。これがプロの技…
でも、これを見て欲しい人は、もう隣にいない。
「安室さんー!どうっすか?」
「うん。完璧だ。ありがとう」
安室さんはそう言って笑うと、プロの技に鏡を見ながらほーっと感心しているわたしの手を取った。
「じゃ!行きますか!」
そう言ってまたわたしを車に乗せて、車を発進させた。
どこにいくの?と聞くのはもう諦めて、わたしは安室さんが運転する助手席で窓の外をぼーっと見ていた。
ついたのは、シューティングバーだった。
「実弾は日本では出来ないので、これで我慢してください」
そう言って安室さんはわたしの手を引いた。
「わたし、エアガンって初めて」
「手軽に楽しめて面白いですよ」
そう言って安室さんは的にBB弾を当てていく。
「安室さん、射撃上手なんだ」
「警察学校ではいつもトップでしたよ」
そう言われるとわたしの闘争本能にも火がつく。
真似をして、的に当てると、結構面白い。
実弾とは全然違うが、エイムして引き金を引く時の緊張感は同じだ。
わたしは夢中で何発も撃った。
撃って、撃って、撃ちまくって、赤井さんを追い出したかった。