【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第24章 思い出せなくなるその日まで ♪
だんだん落ち着いてきたわたしを見ると、安室さんはわたしの涙を指で拭った。
そして泣いてるわたしの頬を両手で覆って、わたしを見ながら言った。
「…じゃ、行きますか!」
「…?どこに?」
「内緒!」
そう言って、パーカーにスウェットという完全部屋着の状態のわたしを、そのまま手を引いて連れ出し、RX-7の助手席に乗せた。
「安室さん!わたしどこも行きたくない!」
「こないだ助けたお礼、してくださいよ」
安室さんはそう言ってこっちを見て笑った後、車を飛ばした。
こないだは確かに、助けてくれて本当にありがたかったから、それを出されてしまうとわたしは何も言い返せない。
ついたのは、高級ショップが立ち並ぶ路地にある、オシャレで高そうなセレクトショップ。
安室さんはわたしの手を引いて店員さんに言った。
「すみませんー。
この子、別人みたいに変身させてくださいー」
「あら!安室さん!サラちゃん!」
店員さんは、ポアロによく来るお客さんだった。
「え?え?!」
わたしが状況を飲み込めないまま、店員さんがわたしの手を引く。
「こんな格好でデートなんてダメよ!?」
「いや、デートじゃないです!」
「ほらこっちに来て」
有無を言わせず、わたしは試着室へ引っ張られていった。
「うーん。パンツスタイルより、スカートの方がいいわよね。
アウターはこれ。
靴はこれがいいかな。」
まるで着せ替え人形のように、わたしに次々に服を当てていく店員さん。
そして選んでもらった一式をわたしは、訳もわからず大人しく着替えた。