【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第24章 思い出せなくなるその日まで ♪
赤井さんのタバコの匂いが恋しい。
赤井さんの、力強い腕の中が、恋しくてたまらない。
「サラ…何があった?」
「わたし、振られたの。
…赤井さんがいないと、息も上手にできない……っ…」
いざ、自分の口からその事実を言うのが辛すぎて、わたしは尋常じゃない程大きく取り乱してる。
涙は泣いても泣いても枯れなくて、もう生きてるのか死んでいるのかわからないほど、わたしの心はズタズタで、赤井さんを思い出せば思い出すほど傷が化膿してく。
安室さんは、わたしを抱きしめたまま髪を撫でてくれる。
触れ方が赤井さんと全然違って、わたしはまた彼が恋しくなった。
安室さんは、思ったよりずっとずっと優しくて、
何も言わずにわたしが落ち着くまでずっと背中を擦ってくれた。
優しくしないで。
誰かに優しくされればされるほど、赤井さんの優しさを思い出して吐きそうだ。
「…ひどい顔だな」
安室さんはわたしの頬を両手で覆いながら、ぐしゃぐしゃになったわたしの顔を見て笑った。
「…ひどい顔だから、振られたのかな」
「バカですね。
そんなわけないだろ?」
そう言いながら、安室さんはわたしの涙と鼻水を袖で拭った。
赤井さんは指でよく拭ってくれてたのを思い出す。
赤井さんにも、よく馬鹿だなって言われてたことも。
バカだから、呆れちゃったから捨てられたの…?
「ご飯は?何か食べた方がいい」
「…何も食べたくない」」
「ほら。サンドイッチも持ってきたんですよ。」
「いらない。そんな気分じゃないもん」
「…騙されたと思って、一口」
そう言って安室さんは、わたしの口にサンドイッチを押し込んでくる。
巷で大人気の安室さんお手製のポアロのサンドイッチ。
変なの。
何も食べたくないのに、どうして美味しいの…