【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第23章 さよならとたった一言で
赤井side
今日の結末は、決めていた。
これで最後。
そう自分に言い聞かせて、待ち合わせ場所に向かった。
待ち合わせ場所にはたくさんの人がいたが、俺の目はサラをすぐ見つけた。
まるで、サラ専用のレーダーみたいだ。
サラに近づいて名前を呼ぶと、サラは目を丸くして俺を見た。
サラに会うのはあの事件以来だ。
久しぶりに見るサラは、相変わらず物凄く可愛く見えて、俺の決心は簡単に鈍る。
そんな自分に自身にも言い聞かせるように、最後 と言う言葉をあえて使った。
サラに、最後って?と聞かれても、笑って誤魔化す俺は、卑怯な男だ。
水族館を一緒に回ると、サラは子供みたいにはしゃいでいた。
どうやら水族館に来るのは初めてらしい。
水槽をじっと見つめるサラの横顔が可愛くて、つい目を見て可愛いと言ってしまう。
駄目だな。ツメが甘い。
サラには、少しだけ俺の口癖がうつっていた。
これからも、ずっと一緒に時間を過ごして、お互いの口癖や笑い方がうつって、似たもの同士になっていく。
そう信じて疑わない時間も確かにあった。