【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第23章 さよならとたった一言で
プラネタリウムを出て、遊歩道を並んで歩いた。
プラネタリウムに入るまでは繋いでた手と手は、いつしか微妙な距離を保ったまま、わたしは赤井さんの様子を伺っている。
わたしから、ぎゅっと手を繋ぐことは簡単なのに、何故かそうさせない空気があった。
「赤井さん?」
「ん?」
「もしかして、具合でも悪い?」
「いや。そんなことはない」
「…そう?」
時折赤井さんは遠くを見てた。
わたしが何を話しても、優しく微笑むだけ。
楽しくないのかな?と思ったりもした。
不安に思いながらも遊歩道を一周してきたとき、夕日が少し傾いてきていた。
「これからどうしよっか?ご飯でも食べに行く?」
わたしがそう言うと、赤井さんは水族館のすぐそばにある観覧車をジーッと見つめていた。
「乗りたいの?」
顔を覗き込みながらそう言うと、赤井さんは
「いや…」
そう言って顔を逸らした。
「だよね。
赤井さんのキャラじゃないし」
そう言ってわたしはご飯の場所をスマホで調べようとした時、赤井さんが言った。
「いや。やっぱり乗ろう。乗りたい」
わたしの目を見て、真っ直ぐに。
珍しい。赤井さんが、何かをしたい。とわたしに言ってくるのは。
いつも、わたしがやりたい事、行きたいところばかり聞いてきてたから。
「う、うん。いいけど…」
特段嫌だと言う理由もなく、わたしは赤井さんと一緒にゴンドラに乗り込んだ。