• テキストサイズ

【R18】You belong with me 【赤井秀一】

第22章 終わりの歌 ♪




水かさがいよいよ口元まで来た。

身体の殆どが水に浸かっていて、指先も足先も感覚がない。
必死に上を向いても、波が立って口の中に水が入る。


「も…最悪すぎる」


寒いという感覚ももうない。

あるのはじわじわとやってくる死の恐怖
意識はあるのに身体は動かなくて、じっくりじっくり真綿で首を締められているようだ。

上を向いても限界に近くて、とうとうわたしの身体は頭のてっぺんまで全部水に飲み込まれてしまった。

ここから6分。まだ大丈夫。助かる。

そう思ってもだんだん意識が薄れていき、
でも、もう…駄目かも。


そう思った瞬間、部屋の扉が開いた。


「サラ!」


遠くの方で、赤井さんの声がするのがわかった。
ここだよって言いたいのに、力が全然出ない…

すると、赤井さんが水槽に銃弾を5発打ち込んだ。
アクリル板はぴしっと割れ、その隙間から徐々に水が排出されていく。

顔まであった水かさが肩まで下がったとき、水槽の外にいたのは安室さんだった。
ゲホゲホと飲んだ水を吐き出しながら安室さんを見ると


「サラ…良かった。
今鎖を切るから」


安室さんはそう言いながら、上着を脱ぐと、水槽の中に入ってきて、自分が濡れるのを気にせずにわたしの鎖をペンチで切った。


「安室さん…赤井さんは?」

「…ヤバい。あいつを殺す気かも」


二人で顔を見合わせて、慌てて隣の部屋に向かうと、犯人に馬乗りになり、顔を何度も何度も殴りつける赤井さんがいた。


「ふ…ここまでか。俺を殺せ」

「ああ。言われなくてもそのつもりだ」


そう言って、赤井さんは銃口を犯人のこめかみにピッタリとつけた。


「マズい。」


安室さんが止めに入るよりもはやく、わたしの身体が動いていて、赤井さんに倒れ込むように抱きついた。



「ダメ!!!殺しちゃだめ…」



ぎゅっと赤井さんの身体を抱きしめると、赤井さんは震えていて、持っていた拳銃を地面に落とした。


その時、ジェイムズさんやジョディさんも到着し、犯人は無事確保された。



/ 1733ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp