【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第22章 終わりの歌 ♪
「は。同情してここから出してもらおうという魂胆か?」
「そうじゃない。
わたしも、大切な人を殺されたことがあるからわかる」
「それなのに、あの男の恋人をやっているのか?
あいつは、目的のためなら平気で人の心を踏みにじる…。
明美は…あいつのせいで」
「明美って…まさか…宮野明美さん?!」
思わずわたしはアクリル板に顔を近づけてピエロに聞いた。
「赤井秀一に裏切られて、死んだんだ」
「でも!彼女を殺したのは別の人間よ?」
「それでも!
あいつが明美を騙していたことには変わりない。」
「あなた、宮野明美さんの何なの?」
「幼馴染だよ。
小さい頃からずっと、あいつのことが好きだった。
あいつは俺のことなんとも思っていないのはわかっていたから、俺じゃなくてもアイツを幸せにしてくれるなら良かったんだ」
そう言ってピエロは俯いた。
「赤井さんは、彼女のことちゃんと愛してたよ…」
「お前に何がわかるんだよ」
「そうじゃなきゃ、今でも明美さんを殺した人間を必死に追ったりしない。」
一緒にいて、何度も感じた。
ああ、本当に好きだったんだなって。
彼女の影がちらつくたびに、わたしはそれを感じてた。
どうしてわたしの口から、こんなこと言わないといけないのよ。
「例えそうだとしても、明美の代わりを見つけて、幸せに暮らそうとしているじゃないか…。
お前は代用品の癖に」
そう言って、ピエロは部屋を出ていった。
「代用品…」
その言葉が、嫌にわたしの胸に響いた。
わたしは、宮野明美さんの代用品…?