【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第22章 終わりの歌 ♪
水が溜まり始めてしばらく経った。
まだ、立っているわたしの膝ぐらいの高さしかない。
でもこのまま、あと数時間いたら、きっと徐々に水かさは上がる。
意識はあるのに、ゆっくり確実に死に近づいていく恐怖を味わうことになる。
「…あなた、赤井さんになんの恨みがあるっていうの」
「そうだな。
わけも分からず死ぬのは納得がいかないよな」
そう言ってピエロはわたしに近づいた。
「あいつはな、俺の一番大切な人を殺したんだよ」
「…何言ってるの。」
赤井さんが人を殺した?そんなことってあるの…?
けれど、任務を遂行するためにやむを得ずということもあるかも…
実際、こないだ明らかにキュラソーの頭を狙っていたし…
そしてそれを聞いたとき、この犯人とわたしがダブって見えた。
わたしも、大切な人を殺された恨みを持って、闇の世界に足を踏み入れた。
この人は、わたしと同じだ…。
「…つらかったよね…」
わたしが思わずこぼした言葉はそれだった。