【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第22章 終わりの歌 ♪
「どうした?」
「秀!大変よ…FBIのメールアドレスに…赤井秀一の女をさらった。ってメールが来て…。
イタズラかもしれないけど、あなたからサラちゃんに連絡できない?」
「…いや…ちょっと待て…。
攫った…だと?」
「サラちゃんと連絡とれてないの!?」
俺は一瞬、思考が停止した。
嘘だろう。そんな、まさか。
あいつはすんなり攫われるような女じゃない。
何かの間違いだ。
そう思っていると、玄関ドアが勢いよく開いた。
「ボウヤ…」
「あ、赤井さん!
さっき、安室さんから連絡があって、サラさんが何者かに攫われた可能性が高いって…」
はぁはぁと息を切らしてそう言う表情はとても嘘だとは思えず、俺は電話口のジョディに声を荒げた。
「おい!そのメールはどこから送られてきた?!」
「落ち着いて!
今から急いでそっちに行くから!
勝手な行動しないでよ?!」
「待っていられるか」
「もう!埒が開かないわ。」
そう言ってジョディはすぐに電話を切った。
そして今度はボウヤのスマホが鳴る。
「コナンくん!?
秀が勝手な行動しないように見張っておいて!
5分で行くから!」
そう言われたボウヤは、俺に言う。
「赤井さん。
助けたければ冷静にならないといけないよ」
「…ああ…わかっている」
「とりあえず、博士の家に集まろう。
ちょうど今日は灰原は歩美ちゃんの家に泊まりにいっているから。」
「あぁ…」
冷静になれ。
頭ではわかっている。
ここで取り乱しても人質が返ってくるわけではない。
そんなこと、FBIで長年経験を積んで、十分理解しているはずなのに。
ボウヤと一緒に工藤邸を出て、博士の家に向かった。
向かう途中、地面が揺れているのか、自分の足が震えているのか分からないほど、おぼつかない足で。
サラが無事でいること、それだけを願っていた。