第22章 終わりの歌　♪

赤井side


「あら？秀ちゃん。顔色が悪いわよ？」

「ああ。ちょっと嫌な夢を見まして」


今朝の夢が頭から抜けない。
サラがジンに…
忘れようとしても頭にすぐに浮かんでくる。

はやくサラの顔を見て安心したいのに、
さっきから時間が進むのが遅く感じる。

バイトが終わるのは16時ごろと言ってたな。
スマホをみると15時50分。
はやくあと10分経って、サラに電話して、安心させてくれ。

有希子さんが淹れてくれた紅茶の味もしないまま、10分が経ち俺はすぐにサラに電話をした。


数回コールしたが出ない。

まあ、まだ店を出ていないだけだろう。
ちょうどに電話しても出れないか。そりゃあ。
後10分待ってもう一度かけるか。

焦る自分にそう言い聞かせて、10分後もう一度サラに電話をしようとした時、逆に俺のスマホが鳴った。

すぐに画面を確認するが、そこに表示された名前はサラでは無かった。


「なんだ…ジョディか。」


そうつぶやいて、通話ボタンを押し、リビングから廊下に出た。