第21章 Do you think about me? ☆

肉じゃがは思った以上に美味しく出来た。
赤井さんは本当に器用で、何でもそつなくこなす。

一つぐらい欠点があってもいいのに、本当に見つからない。

つくづく、こんなすごい人がわたしの彼氏なんだな…それに比べてわたしは…なんて思ってしまう。

ご飯の片付けを終え、入れ替わりでシャワーを浴びた後、2人でベッドに入った。

今日は朝までいてくれるって言ってた。
起きたら、隣にいるんだ。

前までそれが当たり前だったけれど、今ではそれがいかに凄いことなのかよく分かる。


「肉じゃが美味しかったね」

「以前、あの子に煮込みが足りないと言われて、結構研究したからな」

「あの子って、哀ちゃん？」

「あぁ。」


哀ちゃんか…
やっぱりどうしても、宮野明美さんの妹として見てしまう。


「赤井さんって、前から料理してたの？」

「いや。本格的にやり出したのは沖矢昴になってからだな。
有希子さんに教わって」

「へぇ！上手だから前からやってたのかと思ってた」


わたしが目を丸くしてそう言うと、赤井さんはわたしの頭をぽんぽんと撫でながら続ける。


「以前は、そもそも食にあまり興味がなかったな。
1人の時はカロリーメイトとかプロテインとか、エネルギーゼリーとか。
そんなものばかり食べていた。」


1人の時は…
ジョディさんや、宮野明美さんといるときは、何か作ってもらってたのかな。