【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第20章 No way to say ☆ ♪
赤井side
仕事が終わり、錦座を歩きながらサラのことを考えていた。
街中はイルミネーションが煌めいていて、
そう言えばもうすぐクリスマスか。
あまり遠くへは連れて行ってやれないが、どこに行きたいか後で聞いてみるか。
そんなことを考えながら、通りがかったオープンカフェレストランは、最近出来たばかりで外観も洒落ている。
料理も美味そうだし、今度連れて来てやろう。
そんな風に思いながら、何気なく店内の様子を歩きながら見ていると、ふと俺の足が止まった。
「サラ…」
オープン席に座り、楽しそうに話をしながらご飯を食べるサラとバーボンを見た。
どういうことだ?確か梓さんと約束があると言っていたのに。
サラは、俺の心配など不要なぐらい、楽しそうに笑っている。
昨日俺といた時は、今にも壊れそうな笑顔だったくせに。
けれど、その場に割って入ってどう言うことだ?と聞くにはあまりにも大人気がなさ過ぎる。
少し落ち着こう。何か事情があるんだ。
そう思いながら俺は、目を逸らして帰り道を急いだ。
だけど、何の事情がある?
俺に嘘をついて、バーボンと仲良く楽しそうに食事をしていた。
その事実は、どう捕捉しても拭いきれない不信感がある。
これまで、何度もサラに近づく男の影が現れる度に嫉妬で気が狂いそうになったことはあったが、今回は嫉妬ではない。
怒りに近い。
どうして嘘をついた?
どうしてバーボンと一緒にいる?
どうして俺の誘いを断ったんだ?
冷静になろうとすればする程、逆にそればかり考えてしまい、俺はやり場のない気持ちの処理方法がわからないまま、家路に着いた。