【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第20章 No way to say ☆ ♪
バイトが終わり、店の鍵を閉めて
「よし。じゃあ行きますか」
と、安室さんの車が停まってるパーキングに歩いているとき、梓さんのスマホが鳴った。
「はい?…ええっ!
もうー。わかった。
今から行くから」
そう言って梓さんは電話を切った。
「どうかした?」
「それが、兄が高熱で…
看病に来て欲しいって頼まれちゃって…
わたしから誘ったのに今日は行けないです。
ごめんなさい…!」
「それは仕方ない。
早く行ってあげてください。
あ、お兄さんの家まで車出しましょうか?」
「この近くなんで、走って行きます!」
梓さんはそう言って、わたしたちにもう一度ごめんなさいと謝り、走ってお兄さんの家に向かった。
「…さて。どうします?」
「どうもこうも、帰るよね?」
「僕は2人で行ってもいいですよ?」
「わたしは…
と、断ろうとした瞬間、わたしのお腹がぐるるるるっと鳴った。
「ふ…あはははは。」
盛大な腹の虫に、安室さんはお腹を抱えて笑った。
「そ、そんな笑わなくてもいいじゃない!」
「だって…!すごい音…ふっ…くくく」
ひーひーと目に涙を溜めながら爆笑する安室さんをわたしはむーっと口を膨らませて見ていた。
「ごめんごめん。あまりにも可愛くて。
ご飯食べに行こう」
安室さんはわたしの手を引いてRX-7の助手席に乗せた。
まあ、ご飯行くだけならいいかな。
お腹すいたし。と、わたしはあまり深く考えずに車に乗った。