【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第20章 No way to say ☆ ♪
朝、わたしは目覚ましがなくても起きられた。
隣に赤井さんがいることを確認したかったから。
慌てて飛び起きて、すぐに隣を確認したけれど、赤井さんはいなかった。
多分、わたしが寝た後、夜中のうちに帰ったんだろう。
そりゃそうだ。そもそも23時の時点で帰る予定だったんだから。
ふと、昔のパレスホテルが思い浮かぶ。
隣に寝ていたはずの彼の残り香を嗅ぎながら、わたしは自分に言い聞かせた。
「大丈夫。こんなの、平気にならなきゃ。」
ワガママを言ってばかりいられない。
理解ある大人の女にならなきゃ。
いつもより早起きしたから、ちゃんと朝ごはん食べてバイト行こう。
そう思い、キッチンに立って目玉焼きを焼いた。
目玉焼きぐらいなら作れるようになったんだからめざましい進歩だ。