【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第20章 No way to say ☆ ♪
赤井side
「サラ…」
サラの名前を呼んで、完全に眠ったのを確認した。
時計を見ると深夜2時。
帰るか。サラが眠っているうちに。
またサラにあんな顔をされたら、帰れなくなる。
俺はサラの頭の下に引いた自分の腕をゆっくりと外した。
まるで、寝かしつけた赤ん坊を起こさないようにベッドに下ろす母親のようだ。
サラは起きる気配もなく、スーと寝息を立てている。
俺はベッドから降りると、脱ぎ散らかした服を着てサラの家を出た。
車のエンジンをかけ、工藤邸には1分も経たないうちに到着。
たったこれだけの距離なのに、こうやって眠るサラを置いてこなければいけないのか…。
仕方ないことだと分かっているが、慣れる日が来るんだろうか。
もう、サラに会いたいと思っているのに。
これじゃ俺の方がサラ離れができない子供みたいだ。
もどかしい気持ちをどうする事もできず、俺はさっき抱いたサラの感覚を頭に浮かべながら、自分のベッドで瞳を閉じた。