【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第3章 甘い罠 ☆
「じゃあねー!昴さん!サラお姉さん!」
「ありがとうございましたー!」
「はあーい。またねー。」
ヒラヒラと手を振って子供たちを見送り、工藤邸の玄関へ入ると、1日の疲れがどっと襲ってきた。
「はぁあ。疲れたぁ…」
早くお風呂に入って寝たい…
とすら思う。子供の相手は体力がいくつあっても足りない。
久々に歩き回ってフラフラな脚にむち打ち、わたしはバスルームに向かった。
シャワーを浴びて、パジャマ代わりのシャツに着替えると、入れ替わりで赤井さんがシャワーを浴びる。
ダイニングテーブルを見ると、バーボンの瓶がドンっと置いてある。
まさか、これから飲む気なの??
FBIの体力おそるべし。
そう思うのだが、実はわたしもお酒は好きだったりする。
そういえば、ここに来てから一度も飲んでなかったな。
気づくとわたしはロックグラスにバーボンをとぽとぽと注いで、一口、こくりと飲み干した。
かーっと喉が熱くなり、身体がぽかぽかして、いい具合に脳が揺れる。
だめだ。酔い潰れる前に飲むのをやめて、自分の部屋で寝よう。
そう思ってグラスを置いてダイニングを出ようとした時、ちょうど赤井さんがシャワーから上がってきたところだった。
上半身裸のまま、バーボンの瓶を取ると、別のロックグラスに注いだ。
「もう寝るのか」
「ん…寝ようかなと思ってた」
「そうか。一緒に晩酌でもしようと思ったんだがな」
そう言いながら赤井さんは、ロックグラに口をつけ、くっとバーボンを喉に流し込んだ。
「じゃあ、ベッドで飲まない?」
「????」
突拍子もないわたしの提案に、赤井さんは目を丸くしたと思えば、ゴホゴホとむせた。
「あ、変な意味じゃなくて。
わたしお酒をベッドで飲むの好きなの。
眠くなったらすぐ寝られるから」
そう言ってわたしは特に深く考えず、
自分のロックグラスを持って、自分の部屋に向かった。
赤井さんは少し不安そうな顔をしたが、一緒について部屋に入った。