【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第20章 No way to say ☆ ♪
コーヒーを飲みながら、赤井さんと他愛ない話を沢山した。
赤井さんと話していたら時間が過ぎるのは一瞬だ。
ふと時計を見ると、23時を指している。
「もうこんな時間…」
「そろそろ帰るよ」
そう言って赤井さんは、車のキーを手に取り立ち上がった。
「あ、うん。」
わたしはそう言って、赤井さんを玄関まで見送る。
そっか。今日から会うたびに毎回、別れ際のバイバイをしなければいけない。
離れて暮らすと言うことは、時間も距離も今までと全然違う。
わたしはこのバイバイに、慣れる日がくるんだろうか。
「じゃあ、何かあったら連絡しろよ」
「うん。大丈夫」
そう言ってわたしは手を振る。
上手く笑えてる?
喉の奥がツンと詰まって、今にも涙が出そうなのを必死に堪えた。
大丈夫じゃない。行かないで…
せめて、去り際にキスをして欲しい。
そんなわがままばかりが頭によぎる。
赤井さんが出て行くまで笑わなきゃ。
そう思って笑えているのかわからない笑顔で手を振り、赤井さんが玄関のドアを閉めた。
「…っ…」
途端に涙がぶわっと溢れる。
もうホームシック?
わたし、こんなに寂しがりやだった?
だって1人が当たり前だったのに。
ついこの間まで、一人なんてどうってことなかったんだよ。
けど、もう知ってしまったから。
2人でいるのが当たり前になってしまったから。
今、ものすごく寂しい。