【R18】You belong with me 【赤井秀一】
第20章 No way to say ☆ ♪
赤井さんが出て行ったドアを見ながら泣いて立ちすくんでいると、ドアが再びガチャリと開いた。
「…え…」
出て行ったはずの赤井さんがまた玄関に入って来て、何も言わずに泣いているわたしの唇を塞ぐ。
「…んっ…っ…」
わたしの涙が赤井さんの頬に伝って、赤井さんはもう一度わたしの頭を持って口づけをした。
ゆっくりと唇を離すと、
「…言っただろう。
寂しくなったらすぐ飛んで行くと」
「…っ……」
「サラ…」
赤井さんはわたしの唇を奪いながら、玄関からベットルームにわたしを連れて行って、ベッドにわたしを倒した。
「何で戻って来たの?」
「お前が泣いてる気がした」
そう言いながら、赤井さんはわたしのまぶたにキスをした。
ダメなのに。こんなんじゃ、赤井さんはわたしのこと心配してずっとそればかりになってしまう。
仕事に集中できなくなってしまう。
きっと、すごく大事な仕事中でも、わたしが泣いたらこうして駆けつけてしまう。
有希子さんが言っていた、自分の全てを犠牲にしてでも が現実味を帯びてくる。
そう思うのに、赤井さんを離したくなくて、帰したくなくて、わたしは赤井さんの首に手を回すと、自分から赤井さんの口内に舌を侵入させた。
「ん…ッ…は…」
「ん…サラ…」
そうやって赤井さんを色仕掛けで誘った。
こうされたら、赤井さんは絶対にわたしを一人にしない。
そんなずるい考えが頭をよぎる。
「赤井さん…したいよ…」
「…ワザと、そうやって俺を帰さないつもりか?」
やっぱり、お見通しか…
赤井さんは、いつもわたしの一枚上をいく。
わたしの思考を先読みして、わたしの思惑なんて全部無意味になる。